憲法 司法試験・予備試験 短答&論文の学習にオススメの書籍 まとめ

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第一 憲法の学習にあたって

1 憲法は効率を重視するべき

正直、憲法はそんなに時間を掛けていられる分野ではありませんので、効率的な学習を心掛けたいものです。なんだかんだで民法に無限に時間を食われてしまうのが司法試験や予備試験ですので、出来るだけ時間を節約しましょう。

2 効率を重視するために必要な学習方法

これは憲法に限りませんが、効率を重視するためにはその法律の趣旨や目的、一体どのような点が問題になり(論点になり)、最高裁判例はどのような考え方・学説に立って判決を下しているのかを理解しなければなりません。

具体的には、判例の結論を覚えるだけでは足りず、反対学説(反対説)の考え方や、判決書の中に書かれている違憲審査基準および事実評価を理解して、裁判所の価値観と裁判官の思考回路をトレースし、その判決が出た時のバックグラウンドを把握するために判例百選を読む(余裕があるなら、反対意見を出している裁判官のコメントも理解する)、といった手順をスピーディに繰り返し読む必要があります。

そのうえで、憲法は条文は実質99条しかなく、ほとんど全ては学説と判例の理解と暗記に費やすことになります。ですので、まず最初に、何を知っておかなければならないのかをまず自分の頭の中に構築する必要があるでしょう。

3 他人の答案を読んで分析する

憲法の論証は一種独特です。ある程度の答案の『流し方』、いわゆるテンプレートのようなパターンが出来上がるまでにはそれなりの時間がかかります。

それゆえ、最初の頃は、70分間まったく筆が進まないまま硬直してるだけだった……なんていうこともザラにありえる話です。

それはそれで勉強になるのですが、冒頭で述べましたとおり、憲法に沢山の時間を割く余裕のある受験生は通常いないですから、予備校の論文解説本や他人の書いた答案を文字通り書き写して(いわゆる『写経』行為)答案の流し方を学ぶ所から始めるとよいでしょう。

第二 おすすめの書籍

基本的に、論文試験を見据えた書籍を紹介します。行政書士試験を目指す方にも、ここで紹介している入門書・基礎本・択一六法については非常に役立つでしょう。

1 入門書

ファーストトラックシリーズ

基本的に入門書は伊藤塾の伊藤真のファーストトラックシリーズを薦めています。

薄くて安くて読みやすく、これから学習していくにあたって、なにを押さえておかなければならないのかを丁寧に優しく解説してくれています。

内容はあっさりめですが、この本で試験対策をするわけではなく、あくまでも憲法の世界観や考え方を学ぶためのものですから、これで足りるわけです。

図書館にあったりすることもあるので、借りて数日掛けてじっくりと読み、次に紹介する基礎本に進むのも良いでしょう。

2 基礎本

(1)高橋憲法

憲法にも他の法律同様にトレンドがあり、個人的には芦部先生の憲法をおすすめしたいのですが流石に古すぎて『試験対策のための基礎本』としては避けたほうが良いでしょう。

芦部先生はもう随分前に他界されて、今はお弟子さんの高橋和之先生が自著で芦部憲法を発展させた内容として版を重ねていますので、まずはそれをおすすめします。

まだまだ最新の第四版です。これを読んで憲法の深い部分まで基礎理論を身に着けましょう

根っこがないまま試験対策に進むと1年後や2年後にけっこうマズイ感じに右往左往して結局はこの本を読むことになります。

(2)Go!シリーズ 憲法(呉明植)

基礎本であり、同時に、短答・論文両対応の試験対策本でもあるという一挙両得を超えた一石三鳥めいた都合のいい一冊です。

最新の判例までカバーしている2018年現在、最新の憲法基礎本&試験対策本といえます。司法試験予備試験も行政書士試験もこの一冊で必要な知識は全て身につくでしょう。

この本の特徴は論文に記載する『定番のフレーズ』を網羅したいわゆる『論証パターン』が豊富にのっているところです。短答知識と論文知識を同時に並行してインプットしていけます。

短答対策としてももちろん非常に有用ですが、論文特化型の書籍ではないので短答対策側にいれておきました。この本と短答過去問をひたすら回すのが良いでしょう。

呉先生の他の著書にも論証パターンがたっぷり載っていますので、それぞれのエントリーで紹介します。

3 短答対策

(1)辰巳の短答本

ド定番の辰巳の短答本。原則、これ一冊をひたすらぶん回していたら短答はそれでオッケーだと思います。全ての選択肢の◯✕と理由付けまで答えられるようになりましょう。

解説が手厚いですので、間違った肢はもちろん、消去法で正解したものの◯✕がつけられなかった肢(実は、これをほっとくのが一番キケン!文字通り、将来、命取りに!)を改めて知識補完することができます。

(2)伊藤真の速習短答過去問(ソクタン)

正答率80%超えの問題ばかりを集めた本。要するに、ここに載っている問題がもし1問でもわからないのであれば、『メチャクチャにヤバイ』ということですので、サクサクと知識を完成させましょう。

知識を確認しつつ、致命的な知識抜けがないかを教えてくれる良書です。辰巳の短答を1〜2周してから効果測定としてトライするべき一冊。

4 論文対策

(1)憲法の急所

名著・『憲法の急所』が第二版になりました。権利自由ごとに答案のテンプレートをわかりやすく解説してくれる本です。写経行為と合わせてこの本を読み込み実際に書くことで効率よくテンプレートを頭の中に構築することが出来るでしょう。

(2)伊藤塾試験対策問題集:論文

司法試験と予備試験で別々にありますが、予備試験組とはいっても結局、過去問が少ないので司法試験や旧司法試験の問題に頼ることになるでしょう。

この二冊以外にも、他人の書いた合格答案は良いものも悪いものも読めるだけ読んでおきましょう。絶対に損はしません。

5 判例研究

(1)憲法判例50! (START UP)

ガチの判例百選は下にありますが、憲法はおそらく多くの人が司法試験予備試験や行政書士試験を目指す上で初めに触れるもので、判例の読み方・コツなんかわからないのが通常だと思います。判例百選は実務家御用達の記述で初心者にとってはかなりとっつきにくいもの。

その点、このSTART UPシリーズは初学者向けに『全員知っているのが当たり前』のSランク判例50個を通じて判例の読み方からレクチャーしてくれるという、たいへんアリガタイ企画で作られています。

文句なくおすすめです!

(2)憲法判例百選

言わずと知れた判例百選シリーズ。なんというか、『持っているのが当たり前』『読んでいるのが当たり前』『論証お約束フレーズにマークいれて何度も何度も読み込むのが当たり前』というぐらいの存在です。

6 リファレンス

択一六法

紹介はしておきますが、上記の本があれば憲法に関しては択六はなくてもなんとでもなると思います。しかし、あると確認にすこぶる便利ではあります。

もうちょっとリファレンス的な本が欲しいなー!と思ったときに、本屋さんで見てみて欲しくなったら買いましょう。(まあ、見たら「な、なんて素晴らしい本なんだ……!」っていってめちゃ欲しくなっちゃうんですけどね、択一六法……便利ですよね……)

第三 おわりに

オススメの本に絞り、なおかつ古い本はできるだけ紹介しないようにしていますが(2018年現在)、本屋さんに訪れた際は法律の棚にいって知らない本をパラパラと読んでみて違いを意識するのもよいかと思います。

読んでくれているあなたの学習の助けになれば幸いです。

以上

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