立憲とは? 立憲主義とはなんなの? 民主主義との違いは?

民主党が色々あって名前が変わりに変わって、遂には『立憲民主党』という大それた名前になってしまいました。(2017年10月1日現在)

立憲(りっけん)というのは聞き慣れない言葉かもしれませんが、法学・政治学、特に憲法学の領域では超重要にして基礎テクニカルタームの一つだったりします。

今回は、立憲主義とはなんなのかと、民主主義とはなんなのかについて書いてみましょう|゚ω゚|

立憲主義とは?……の前に、『立憲』ってなに?

やはり、まずは『立憲(りっけん)』という言葉の意味から入らないと、あとの話を聞いたところで、なんだか分かったようでよく分かんねえよなーとなる気がします。

これ、辞書的な意味で言うと立憲=憲法を制定することになります。制憲。

しかし、立憲主義というときの立憲は、憲法を制定するという意味ではありません。

では、ここで一旦、漢字単体のレベルに戻ってみましょう。

『憲』とは「基本となるおきて(ルール)」「憲法」を差します。『立憲』や『立憲主義』を考える時は主として『憲法』と考えると良いでしょう。

憲法は、まずは、国民が国に突きつけた絶対ルール、ぐらいに思っておけばOKです。(そうなっていない国もありますが、日本における今回の話とは全く関係ないのでパスします。)

立憲主義における立憲とは、憲法を立てる(尊守する)、ということです。

即ち、立憲主義とは、憲法を(実質的)最高法規と定めて、国は憲法に従って誠実に政治を行っていくんだぞ!という考え方なのです。

では、なぜ憲法を実質的最高法規と定めなければならないのでしょうか?

立憲主義における憲法の位置づけとは?

上記の通り、立憲主義というのは憲法を立てていこうという考え方であること。

では、憲法を立てていくメリットはなんなのでしょうか?

ここで若干の憲法論に入らなければならなくなります。

すぐ上に書いたとおり、憲法とは国民が国に突きつけたルールです。特に、フランス人権宣言以来、近代憲法は人権保障を至上命題に定めているのが当然であるという考え方が一般的になっています。

憲法には色々な分類があるのですが、意味的な分類については こちらのエントリー にまとめていますので興味のある方は参照してください。

上記を読むのが面倒くさい人のために簡単にまとめておくと、立憲主義における憲法とは、立憲的意味の憲法(近代的意味の憲法)のことです。

すなわち、専断的な国家権力による支配(『人の支配』……人=王や絶対君主といった独裁的支配者のこと)を排斥して権力を『法の支配』によって、国民の権利自由(即ち、人権)を保障していこうとする法理に基づいた法規範のことをいいます。

そして、近代憲法(人権保障のための憲法)の本質は立憲主義にあるのです。いくら人権保障を憲法で定めても、国や行政がそれをないがしろにした政治を行っては意味がありません。なので、国民は国に対して、憲法を遵守させなければならないのです。

まとめると、結局、立憲主義ってなに?

すごく雑に言うと、『人権保障を第一に考えて、ちゃんと国民の声が反映されるような政治をしていこうぜ!』という主義なのです。

具体的には、

  1. 人権の尊重(国民の人権を保障するために国家が存在する、ということ)
  2. 権力の分立(権力の集中は人類史上、必ず独裁政治を生み出した)
  3. 国民による国政参加(国民の意志の政治的反映が行われること)

これらすべてを憲法に基づいて政治を行っていこうという考え方をいいます。

民主主義と何が違うの?

民主主義とは、国民の意思に従って政治をおこなう(事ができるように整備された)政治体制をいいます。

具体的には、

  • 人権の尊重
  • 権力の分立
  • 法の支配
  • 国民主権

といった民主主義の基本原則に基づいた政治体制です。立憲主義と相性がとてもいいことがわかります。むしろ、立憲主義にいう『国民による国政参加』は、民主主義が国民主権の原理を採用する以上、当然に内包されているべきものです。

このように、立憲と民主はとても相性が良く、立憲主義に基づいた民主主義を特に『立憲民主主義』といいます。

まとめ

立憲主義と民主主義の違い、というか実は違いはそれほどない、ということが分かっていただけたでしょうか?|゚ω゚|

このあたりの基礎概念についてはなんといっても芦部先生の名著『憲法』が詳しいです。というか、法学・法曹の世界では芦部憲法が前提知識になっているとも言えるぐらいの書籍ですので、興味の有る方はどうぞ|゚ω゚|

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