2013年の中盤から使われ初めて、2014年中頃から(何があったのやら)急にまた巷を賑わせているバズワードである『フルスタックエンジニア』ですが、企業にとって都合の良い条件を好き放題にバカスカ並べただけのアホウな求人をよくもまあデファクトスタンダードであるかのようにバズらせたもんだなーと感じます。(挨拶)
技術を複数持ったマルチスキルな人はザラにいますが、フルスタックは金曜の夜にしか通じない儚いジョークでしょう(笑)
ここは腐ってもカメラブログですので(いや、腐ってませんけどね)フルスタックエンジニアの意味をそれなりに説明しつつ、実例はカメラ界隈で例えてみます。
フルスタックエンジニアの本来の意味
Full-Stack Engineer
スタックとは積むという意味で、フルに積まれたエンジニアということになります。
一体、何が積まれているのか?
もちろん、エンジニアとしてのスキルです。
サーバーからデータベースから設計からコーディング、果てには営業やマーケティングやマネジメントまで、ありとあらゆるスキルを持つのがフルスタックエンジニアです。まあ、ネット流行語なので定義があやふやで今後も変わっていくのでしょうが。(そしていつの間にか消える)
さて、そんなスーパーエンジニアが本当にいるのかというと……フルスタックっぷりの要求度に寄りますが、マルチスキルの延長線での(それなりの)フルスタックならそこそこいるんじゃないでしょうか?
いままでの職場経験の中で必要に迫られたり、単に趣味で色々と習得したり……というパターンですね。往々にしてベンチャー経験者に多いようなイメージですが……一人が複数の業種スキルを持たなければやっていけないような環境にいると、自然発生的にそのようなスーパー人材が生まれます。(もちろん、生まれずに消えていく人がほとんどです。ここで書いていることを真に受けて、職員を過酷な労働環境に置いてメガシンカを促すようなマネは決してしないでください)
個人的な印象ですが、この手の人は基本的にベンチャー系が向いていると思います。真価を発揮するのは、裁量が沢山あり、一人で複数の分野にまたがって好き放題やれるような状況でしょう。何でも出来ると言うことは、単一の仕事をさせるのはスキルの無駄遣いに直結します。豊富な知識を利用して、俯瞰できる立場でプロジェクトにつけるのがいいでしょう。
……ま、現状の求人を見てると、『とにかく、一つでも多くのスキルを持つ人間を安く使ってやろう』という意図が透けてみてて、これは吐き気を催す邪悪だとしか思えなかったりするんですけどね。アホだよね。救いようがない。
フルスタックエンジニアが持つスキルの中で、もっとも価値のあるものは『様々なジャンルの知識と技術を習得する才能』に他なりません。学ぶというスキルが根幹にあるからこそ、フルスタック出来たのです。
クソみたいな雑魚企業に安売りしちゃいけませんよ!
フルスタック・カメラマンの誕生
さて、フルスタック・エンジニアの説明が終わったので、次は実例をカメラ界隈で。
ここでは、カメラを作る側ではなく使う側として、フルスタック・カメラマンと呼べる存在を想像してみます。
- アナログカメラの有名な機種なら何でも扱える
- アナログフィルムの特性を全社知り尽くしている
- 当然、手現像できる
- デジタルカメラの有名な機種なら何でも扱える
- デジカメの特性や各社毎の特徴を知り尽くしている
- 現像ソフトの有名ドコロを全て扱える
- フォトショップ加工の知識と技術について熟知している
- 撮影機材(ストロボ・スピードライト・三脚・その他ありとあらゆる機材)を知り尽くしている
- 風景写真、建築撮り、ブツ撮り、ポートレート、ヌード、深海撮影、空撮、高速撮影、夜景、宇宙写真、花火写真などあらゆる撮影ジャンルに対応できる
- 画面上と印刷物になったときの色の違いがイメージできる
- スタジオマンとしての知識と技術を持っている
- どんなに未知のロケでも瞬時に適切な撮影方法を発想できる
- 撮影の腕がとてもよいこと
- 人柄が良いこと(実は最重要項目)
これらを兼ね備えた人を、便宜上、フルスタック・カメラマンと呼ぶことにしましょう。
……見事に『架空の存在』感がもの凄いことになってますが……(笑)
まあ、実際、そんなもんですよ。単一スキルに特化したスペシャリストのほうがカメラ界隈は正義ですから。なんだかんだで撮影の腕が良くないとね。(あと人柄)
あとは追加要項として、
- コミケでエロレイヤーさんを囲んで必死に撮影したりしない
- OVF至上主義者やレンジファインダー至上主義者ではない
- モーターショウで車そっちのけでキャンギャルさんを撮影するために僕を「邪魔だっ!」と叫びながら押しのけたりしない
- 人格が破綻していない(ex. カメラ店内でニコンのカメラについて気になる所を友人と話していただけで詰め寄ってきて、赤の他人に対して鼻息荒く「そんなことないですよ!」と怒ったりしない)
といった追加条件もつけさせて貰います。
もちろんジョークです。いや、冗句でしたかね。